回数券、ため息の数だけ残っていく。——被害救済制度をつくるまでのメモ

「お得ですよ」「今日まで」
耳ざわりはいい。けど、使い切れない回数券、閉店で紙切れ、規約で一刀両断——そんな話がSNSでまた話題になっていました。正直、この手の話はここ10年で耳にする話で、珍しい話ではなくなってしまいました。
他者のことだから放っといたらよろしいか? いや、放っとけない。そういうわけにはいかないです。
回数券は“前払いの信頼”です。
お店は先に資金が入り、利用者は安く通える。理屈は美しい。でも現実は、体調や仕事の都合、予約の取りづらさ、突然の閉店、施術の不信……。誰も悪人じゃなくても、未消化分だけが置き去りになる。残るのは、紙とモヤモヤ。
だから、うち(中野坂上駅前整骨院)は**「回数券被害救済制度」**を準備をしています。まだ構想段階ですが必要になる人がきっといるのだろうと思いました。
いま考えていること(叩き台)
- 下取り割
他院の未使用1回につき、当院の自費施術を**◯%OFF**。上限回数と期間は明記。
“紙切れになった感覚”を少しでも埋めたい。 - ポイント変換(これが現実的かなと考えています)
未使用回数を院内ポイントへ。都度払いの値引きに充当。会計がシンプルで、続けやすい。 - 乗り換え定額割
証明(券の写真・レシート等)を見せてもらえたら一律◯円OFF×◯回。書類が揃わなくても救える余地を残す。
共通ルールは簡単にする。先着/総額上限/自費限定。効果保証みたいな言い方はしない。
「救済」は魔法じゃない。けど、何もしないよりはずっとマシ。
なぜやるのか
回数券は“信頼の前借り”。同じ街で商いをする者として、その信頼を置き去りにしたくないのです。
- この街で後悔してほしくないから
地域のサービスで嫌な思いをしてほしくない。ここで暮らす人が、ここで気持ちよく通える環境を守りたい。 - 実際のトラブルを何度も見聞きしているから
購入後に消化できない、閉店で紙切れになる、規約で返金できない——そんな声が現実にあります。 - 必要なときに必要な施術が最善だと考えるから
無理な前払いに縛られる必要はなく、都度選べる関係のほうが、お互いに健全で“距離感”もよい。整体・整骨院がより身近になります。
みなさんにお願い
制度を組む前に、どのような内容であったかを知りたい。
「何回残ったか」「どう断られたか」「どんな説明だったか」もしくは『なぜ通院を辞めたのか』。
差し支えない範囲でいいです。。
いただいた情報は救済の審査と運用設計のためだけに使います。
最後に
うちの規模でできることは限られている。それでも、困っている人が来たら、空いている時間と手を差し出したい。
この制度は、完成してから発表するより、走りながら整える。
穴があったら遠慮なく指摘してほしい。改善する。約束。
放っといたらよろしいか?
いや、やっぱり——放っとけないから。